英語だけ、試験時間が10分長い。国語・数学・理科・社会が各50分なのに対して、千葉県の英語は60分です(県教育委員会の出題方針)。
それなのに「最後の大問まで手が回らなかった」「見直しどころか、読み終わらなかった」という声が、模試のたびに保護者の間で出ます。10分多くても足りないのは、時間が足りないのではなく、時間の使い方のどこかに穴があるからです。今日(2026年10月21日)から学力検査(2027年2月16日)までは118日、約17週間。穴の場所さえ分かれば、直す順番は決められます。
先に結論を書くと、英語の「時間が足りない」は、読む速さの問題とは限りません。語彙・文法の穴で一文ごとに止まっているのか、設問を先に読まずに本文を何度も往復しているのか、英作文や整序で考え込んでいるのか。原因によって、やることはまったく別です。この記事では、保護者が実際に抱きやすい疑問を見出しにして、原因の見分け方、令和8年度入試で起きた変化、分野ごとの直し方、12月20日までの進め方を順に答えていきます。
Q1. 時間が足りないのは、英語を読む速さが遅いからですか?
「速読の練習をさせなければ」と考える方が多いのですが、先に見分けたいのは次の3つのどれに当たるかです。同じ「時間切れ」でも、直す場所が違います。
タイプA:知らない単語・読めない文で止まる
一文ごとに手が止まり、辞書代わりに前後を何度も読み返すタイプです。この場合、原因は読む速さではなく語彙と文法の穴です。速く読む練習をしても、分からない単語は速く読めません。見分け方は簡単で、解き終わらなかった模試の英文に、お子さんが「知らなかった単語」「文の形が取れなかった文」に印を付けてもらいます。印が1ページに何個もあるなら、このタイプです。
タイプB:本文と設問を往復して、同じ場所を何度も読む
単語はおおむね分かるのに、設問を解くたびに本文の頭から読み直すタイプです。読む量が実質2倍、3倍になっています。設問を先に見て、探す情報に目星を付けてから本文を読む手順が身についていないことが多いです。
タイプC:英作文・整序・記述で考え込む
読む部分は進むのに、自分で英文を書く場面で長く止まるタイプです。「何を書けばいいか」を決めるのに時間を使っているのか、「この単語のつづりや語順が合っているか」を気にして止まるのか、どちらなのかを確認します。
見分けるいちばん確実な方法は、1回分の模試や過去問を、お子さんに各大問を解き終えた時点で、時計の時刻を余白にメモさせることです。それだけで、どの大問に何分かかったかが分かります。数字を見ると、お子さん本人も「ここだった」と納得しやすくなります。
塾以外の選択肢も含めて、早めに比べておきたい方は、千葉県に対応している家庭教師を無料で比べられるサービスもあります。
Q2. 千葉県の英語は、令和8年度入試でどう変わったのですか?
令和9年度(2027年2月)入試の英語の大問構成や配点内訳は、県教育委員会の発表ページに詳しくは載っていません。県が公表しているのは、英語が60分・100点で、放送によるリスニングテストを含むこと、そして「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力を見るという出題方針です。
そこで、直前の入試である令和8年度(2026年2月)について、複数の塾が公表している講評を読み比べました。ここで分かることは、あくまで前年の実績であり、来年も同じとは限りません。そのうえで、保護者が押さえておきたい変化は次の4点です。
- リスニングは大問4題:市進の講評では、大問1の放送が1回のみになったことが「大きな変更点」とされています。大問2〜4は2回放送です。
- 記述問題が減った:臨海セミナーの講評では、大問9題は変わらず、小問が32題から27題に減り、単語の形を変える問題がなくなりました。市進も、長文(大問7・8)の単語記述がなくなり、すべて記号選択になったと整理しています。
- 英作文は形式が変わった:市進の講評によると、前年は2か所の空所を埋める形式(計8点)でしたが、令和8年度は20〜30語程度の英文を書く形式で配点12点になりました。臨海セミナーは、語数は例年どおりで、条件に沿って文を作る形になったとしています。
- 整序英作文は3題:大問5は5題構成から3題構成になった、と市進は書いています。
こうした変化をふまえて、正学館の分析記事は、県の「学力検査結果概要」の数字として、英語の平均点が令和7年度の47.1点から令和8年度は60.1点に上がったこと、標準偏差が24.0で5教科の中で最大だったことを紹介しています。平均点が上がっても、点数の散らばりは大きいままだった、つまり解ける子と解けない子の差が大きい教科だったということです。同じ記事は、リスニングが1回読みになったことと、長文で速さと正確さが同時に求められることが、差を広げた要因だとみています。
ここで大事なのは、「記述が減ったから楽になった」とは読まないことです。講評どおり、記号選択が増えれば、選択肢を読み比べる時間が増えます。放送が1回になれば、聞き逃した分を後から取り戻せません。来年度の形式は、県の発表と過去問の公開を待つ必要があります。
出典:千葉県教育委員会「令和9年度千葉県公立高等学校入学者選抜における学力検査の実施教科及び出題方針等について」(2026年10月21日確認)
出典:市進「千葉県公立高校入試講評(令和8年度)」、臨海セミナー「入試講評と問題解説」、正学館「【千葉県公立入試 令和8年度】平均点アップでも見える”二極化”の影」(いずれも2026年10月21日確認)
Q3. リスニングで時間は関係あるのですか? 放送の時間は決まっているのでは?
その通りで、リスニングは放送が流れる時間が決まっています。ここで「時間が足りない」の意味は、読み書きの時間を使い切るという話ではなく、設問の先読みが間に合わないことです。
市進の講評は、聞いた内容を別の表現で言い換えた選択肢から選ぶ力が問われること、臨海セミナーの講評は、大問4がメモを完成させる形式で、放送の前に空欄の前後を見て何に注意して聞くかをつかんでおくとよいことを指摘しています。つまり、放送が始まる前に、選択肢やメモの空欄をどれだけ読めているかが、点数を左右します。
家庭でできる練習は、次の順番です。
- 音声を流す前に、問題文と選択肢(メモ形式なら空欄の前後)に目を通す時間を取る
- 聞くときは、数字・条件・否定の言葉(〜ではない、〜以外)に印を付けるつもりで聞く
- 解き終わったら、スクリプト(放送文)を見て、聞き取れなかった箇所が「単語を知らない」のか「速くて聞き取れない」のかを分ける
- 聞き取れなかった文は、スクリプトを見ながら音声に合わせて声に出して読む
過去問のリスニング音声の公開先は年度によって違うため、お手元の過去問の冊子や県教育委員会のページで確認してください。令和8年度で大問1が1回読みになったことをふまえると、少なくとも1つの大問は「2回目がない」状態で練習しておく方が安全です。
Q4. 長文を最後まで読み切れません。どうすれば速く読めますか?
講評によると、令和8年度の長文(大問7・8)は、スピーチとチラシ、スピーチとイラストと生徒の対話など、本文に加えて図や資料を読み取る形でした。分量が多いうえに、本文と設問と資料を行き来する必要があります。
ここで効くのは、速読よりも読む順番の固定です。先ほどのタイプBのお子さんには、特に有効です。
- 最初に設問と選択肢を見て、聞かれている内容(誰が・いつ・なぜ)に目星を付ける
- 次に、図表やチラシ、イラストの見出しだけを見る
- 本文は、設問に関係する段落を探しながら読む。全部を丁寧に読む必要はない
- 分からない単語に出会っても、いったん飛ばして文の流れで意味を推測する
最後の「分からない単語を飛ばす」は、タイプAのお子さんにはできません。飛ばす以前に、分かる単語が足りないからです。タイプAの場合は、長文演習を増やす前に、教科書に出てきた単語と基本の文法(時制・不定詞・関係代名詞など)を復習する方が、結果的に早く読めるようになります。長文を何本も解くより、1本を解いたあとに「知らなかった単語」を拾って覚える方が、同じ時間で身につくものが多いのです。
手順を固定しても時間が余らないとき
手順を守っても足りない場合は、1つの大問に使える時間の上限を決めておきます。たとえば「長文1本に○分かかったら、残りの設問は選択肢を絞って次へ進む」というルールです。何分にするかは、お子さんの現在の所要時間(Q1で測ったメモ)をもとに決めます。家庭で決めた数字を、過去問を解くたびに少しずつ調整してください。ここでは、県の発表にない「大問ごとの標準時間」を断定しません。
Q5. 英作文や整序で止まってしまうのは、どうしたらいいですか?
令和8年度の英作文は、市進の講評では配点12点で、20〜30語程度を書く形式でした。臨海セミナーは、テーマが「学校の特徴や魅力」という身近な内容だったと紹介しています。
英作文で時間を使う子は、書く前に「何を書くか」で迷っていることが多いです。次の手順で、迷う時間を減らせます。
- 設問の条件(何について、何文で、どんな内容を含めるか)に線を引く
- 書く内容は、自分が一番書きやすい1つに決める(立派な内容でなくてよい)
- 知っている単語と、教科書に出てきた文の形だけで組み立てる
- 書き終えたら、主語・動詞・時制・つづりを順に見直す
市進の講評は、語数が増えて「文法的なミスも出やすくなっている」と指摘しています。難しい表現に挑戦するより、短くても正しい文を並べる方が、減点を避けやすいということです。
整序英作文は、臨海セミナーによると、複雑な構造の文はなく、教科書の内容を理解していれば解ける問題でした。ここで止まる場合は、文の主語と動詞を最初に見つける練習が効きます。並べ替える語の中から「主語になれる語」「動詞」を先に決め、残りを後ろに付けていくと、考え込む時間が短くなります。
ここまでで、読む・聞く・書くのどこで時間を失っているかを、お子さん自身の言葉で説明できるようになっていれば十分です。説明できない場合は、Q1のメモを取る作業からやり直してください。
Q6. 過去問を時間を計って解くのは、いつからがいいですか?
時間を計るのは、ばらばらに練習した分野を組み合わせて確認するための作業です。原因が分かっていない段階で、計って解いても「また足りなかった」という結果が積み重なるだけです。
おすすめの順番は、次のとおりです。
- 10月下旬〜11月上旬:Q1の方法で、1回分を計って解く。どのタイプかを決める
- 11月:原因に合わせて、語彙・文法の復習(タイプA)、設問先読みの練習(タイプB)、英作文の型の練習(タイプC)に絞る。1回の学習は短くてよい
- 12月上旬:再び1回分を計って解き、各大問の所要時間を前回と比べる
- 12月20日まで:残った弱点をもう一度つぶす。冬休みに入る前に、原因をほぼ特定しておく
過去問をいつからどのように進めるかは、別の記事でカレンダー形式にまとめています。
→ 千葉県公立入試の過去問はいつから?今日から2月までの時期別の進め方
10月20日から12月20日までの間に、時間配分の原因をつかみ、手順を決めるところまで終えておくと、冬休みに入ってから「何を直すか」で迷わずに済みます。逆に、この期間を過ぎてから原因を調べ始めると、冬休みは分析だけで終わってしまいます。
Q7. 家庭で見るのが難しいとき、塾や家庭教師に頼む意味はありますか?
英語の「時間が足りない」は、原因が複数重なっていることも多く、保護者が採点と分析をするには手間がかかります。外の力を使う価値があるのは、次のような場面です。
- 集団塾:英語の授業の進度が合い、宿題と確認テストで語彙・文法を固めたい子に向く。一方で、原因がタイプB・Cのように「解き方の手順」にある場合、クラス全体の授業では個別の癖まで見てもらいにくいことがある
- 個別指導塾:講師との相性や、1対何人かで質問のしやすさが変わる。自分の弱点を指摘してもらいたい子に向く。回数を増やすと費用がかさむ
- 家庭教師:自宅で、解き方の手順や英作文の書き方まで1対1で確認してもらえる。通塾の時間が取れない子、部活や他教科の勉強との兼ね合いで時間が限られる子に向く。講師との相性があるため、比べて選ぶ手間はかかる
- 通信教育:自分のペースで進められる。続ける意思が必要で、時間配分の癖までは自分で気づく必要がある
英語の時間配分は、「どこで止まっているか」を横で見ていて初めて分かることが多い分野です。1人で解いているだけでは、本人も「なんとなく時間が足りなかった」としか言えません。千葉県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、通塾の負担と費用を並べて判断しやすくなります。
- 模試のたびに、英語の最後の大問が時間切れになっている
- 原因が、語彙なのか読み方なのか英作文なのか、親にも本人にも分からない
- 部活や通塾の都合で、英語だけに時間を割いた演習がしにくい
- 集団授業のペースでは、自分の癖まで見てもらえていない気がする
家庭教師比較くらべーるなら、千葉県に対応している家庭教師会社の料金や口コミを見比べて、気になる会社の資料を無料でまとめて取り寄せられます。
家庭教師の選び方そのものは、無料体験で見るべき点を整理した記事があります。
冬休みの学習手段をまとめて比べたい方は、こちらも参考になります。
→ 冬期講習は必要?千葉の中3が申し込む前に比べる4つの手段
Q8. 親が横で時間を計って、急かしてもいいですか?
時間を計る作業そのものは、親が担当してかまいません。ただし、解いている最中に「あと何分」と声をかけ続けると、焦って読み飛ばす癖がつきやすくなります。普段の演習では、計るのは親、判断するのは本人と役割を分けておくと、本番で自分の時計を見る習慣につながります。
終わったあとの声かけは、点数ではなく事実から入ります。「大問7に何分かかったか」「どこで止まったか」を本人に言ってもらい、親は書き留めるだけにします。「どうして終わらないの」という聞き方は、原因ではなく責任を探す問いになってしまい、本人が黙る原因になります。家庭で分析が進まないときは、分析そのものを外に頼むという選択が出てきます。
Q9. 本番で時間が足りなくなったら、どう動けばいいですか?
当日の最悪のパターンは、1つの設問で長く止まり、あとの問題に手が付かなくなることです。事前に決めておきたいのは、次の3つです。
- 止まったら印を付けて次へ進む:分からない設問は、とりあえず選択肢を絞って仮の答えをマークし、余白に印を付けて戻れるようにする。千葉県の学力検査はマーク式と記述式の両方があり(県の注意事項ページ)、マークの塗り間違いがないかも最後に確認する
- 配点の軽い設問に時間をかけすぎない:1問に何点が付くかは問題用紙に書いてあるので、普段の演習から意識する
- 最後の1〜2分は、解答欄のずれの確認に使う:記号を書き間違えたり、1つずれてマークしたりするミスは、時間に追われたときに起きやすい
放送が流れるリスニングは、自分で時間を調整できません。リスニング中の過ごし方を含め、当日の指示は必ず試験会場の説明に従うよう、お子さんに伝えておいてください。
出典:千葉県教育委員会「学力検査(マーク式及び記述式解答)に係る注意事項について」(2026年10月21日確認)
Q10. 今日から12月20日まで、家庭で何をすればいいですか?
118日あるうち、最初の2か月で「原因の特定」と「手順の固定」までを終える流れで考えます。
今週中にやること
- 直近の英語の模試か過去問を、時計を見ながら解き直す(解き終えるたびに時刻をメモ)
- 解き終わらなかった大問と、知らなかった単語に印を付ける
- タイプA・B・Cのどれが中心かを、お子さんと一緒に決める
11月にやること
- タイプAなら、教科書の単語と基本文法を、毎日10〜15分の短い時間で回す。長文は週に1〜2本にとどめる
- タイプBなら、長文を「設問先読み→資料→本文」の順で解く練習を、毎回同じ手順で行う
- タイプCなら、英作文を週に1題、条件の線引きから見直しまで通して書く
- リスニングは、毎日10分でよいので、先読みと聞き取りを続ける
12月上旬〜20日までにやること
- もう一度、1回分を時間を計って解き、前回との差を見る
- 差が出なかった大問は、原因をもう一段細かく分ける(単語か、文法か、設問の読み間違いか)
- 冬休みの学習手段を決める。家庭だけで進めるか、外の力を足すかを、この時点での伸びを見て判断する
数学など他の教科との時間配分も考える必要があります。英語に使える時間が限られているときは、先に数学の大問ごとの優先順位を決めた記事も参考にしてください。
→ 千葉県公立入試の数学が苦手な中3へ。大問ごとの拾い方・捨て方
12月21日以降は冬休みの学習計画に入ります。それまでに、お子さんが「自分は英語のここで時間を使っている」と言えるようにしておくことが、最低ラインの目標です。
この時期に外の力を検討するなら、12月上旬の再チェックで伸びが見えなかった場合に決めても遅くはありません。ただ、家庭教師や個別指導は、体験や面談の日程調整、講師との相性確認に時間がかかります。学力検査まで118日の今は、資料を取り寄せて比べておくだけでも、12月に慌てずに済みます。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、千葉県公立入試や内申点への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 英語の模試や過去問を使って、時間の使い方まで見てもらえるか
- リスニングや英作文の指導を、どの程度の頻度で入れられるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
家庭教師比較くらべーる(資料請求は無料)
まとめ:英語の時間不足は、原因を見分けてから直す
- 千葉県の英語は60分・100点で、リスニングを含む(県の出題方針)。令和9年度の大問構成の細部は県の発表に載っていないため、過去問と塾の講評で傾向を確認する
- 令和8年度は、大問1のリスニングが1回読みに、長文が記号選択中心に、英作文が20〜30語で配点12点の形式に変わったと塾の講評は伝えている。平均点は上がったが、点数の散らばりは5教科で最大だった
- 時間が足りない原因は、語彙・文法の穴(A)、本文と設問の往復(B)、英作文・整序で止まる(C)のどれかに分けて考える
- 各大問を解き終えた時刻をメモするだけで、原因の見当が付く
- 10月下旬に計って解き、11月に原因別の練習をして、12月上旬にもう一度計る。12月20日までに原因を特定しておく
- 本番は、止まったら印を付けて次へ進み、最後はマークのずれを確認する
まずは今週末、英語の過去問を1回分、時計を見ながら解いてもらってください。解き終えた時刻のメモが、これからの2か月の道しるべになります。






