千葉県公立入試の選抜・評価方法が公開。配点の読み方と志望校の逆算

県立高校の入試は、500点満点の学力検査だけで決まるわけではありません。調査書を何倍にして足すか、学校設定検査に何点を振るか。そのルールを各校が文書にして公表する期間が、2026年10月15日から始まりました。

千葉県教育委員会の令和9年度入試のページには、同日付で「県立高等学校の選抜・評価方法のWeb掲載について」が追加されています。志望校をこれから絞る中3の家庭にとっては、塾の資料や噂話より先に見るべき一次情報が出そろったことになります。

結論を先に書くと、見るべきなのは「調査書の係数」「学校設定検査の配点」「2段階選抜の有無」の3点です。この3つを志望校と併願候補で並べるだけで、同じ偏差値帯の学校でも「内申で守る学校」「当日の得点で勝負する学校」「面接や作文の準備が要る学校」に分かれて見えてきます。この記事では、公表された内容の位置づけ、読み方、タイプ別の向き不向き、読んだあとの動き方の順に整理します。

10月15日に公表されたもの、されていないもの

令和9年度の実施要項(一般入学者選抜、第9「選抜方法」)には、各高校は選抜の手順、選抜のための各資料の項目、配点などを定めた「選抜・評価方法」を作成して公表する、と書かれています。一般入学者選抜の分は、2026年10月15日(木)から、次の令和10年度入試の分が公表されるまで、各高校のウェブページに掲載される、という定めです。

ここで混同しやすい点が二つあります。

  • 県の一覧ページには配点が載っていません。県立高校の名簿ページは各校サイトへのリンク集で、配点そのものは各校のページ側にあります。志望校ごとに開く手間がかかります
  • 「学校設定検査の内容」と「選抜・評価方法」は別の資料です。面接・作文・自己表現などの種類を示す「高等学校別検査の内容等一覧」は7月から公開されています。今回出たのは、それらに何点を振り、調査書とどう合算するかを書いた側です

なお、掲載の形式(PDFかページ本文か、どこにリンクがあるか)は学校ごとに違う可能性があります。筆者は全校のページを確認したわけではないので、探すときは学校サイトの「入試」「受検生の方へ」「中学生・保護者の方へ」といった項目から入り、見つからなければ学校に電話で場所を聞くのが早いはずです。

過去の年度の分は、県文書館(行政資料室)でも閲覧できます。令和8年度入試の分は、2026年7月1日から2028年3月31日までの閲覧と案内されています(コピーは1枚10円)。志望校の過去の方式と見比べたいときの手段になります。

どの学校が自分に合うか、塾以外の選択肢も含めて早めに比べておきたい方は、千葉県に対応している家庭教師を無料で比べられるサービスもあります。

出典:千葉県教育委員会「令和9年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項について」(2026年10月16日確認)

合計点は4つの部品でできている

実施要項の第9では、調査書、学力検査、学校設定検査の結果を原則として点数にし、その合計である「総得点」で総合的に判定するとされています。配点は各高校が決めます。部品ごとに、県が決めている「幅」を確認しておきましょう。

調査書:評定の合計に係数Kをかける

  • 対象は国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・外国語の9教科の、全学年の評定の合計値(最大135点)
  • これに各校が定めるKをかけたものが「調査書の得点」。Kは原則1で、学校の特色に応じて0.5以上2以下の範囲で決められます
  • 調査書の記載事項は、各校が50点を上限に加点できます

学力検査:5教科500点が土台

  • 国語・数学・理科・社会・英語が各100点の計500点
  • 理数系の学科は数学・理科の得点を1.5倍か2倍に、国際関係の学科は英語の得点を1.5倍か2倍にできます

学校設定検査:配点は10〜100点の範囲

  • 各校が学校の特色に応じて10点以上100点以下で配点を決めます
  • 2つ以上実施する場合の合計は150点が上限です(専門学科で適性検査を2つ以上行い、さらに面接をする場合は、面接50点上限・合計200点以内という特例があります)

志願理由書:提出を求める学校だけ

学科ごとに提出を求める場合は、選抜の資料に加わります。7月8日更新の県の一覧では、求めているのはごく一部の学校・学科にとどまっています。

出典:令和9年度千葉県公立高等学校入学者選抜実施要項(一般入学者選抜)PDF(2026年10月16日確認)

Kが違うと、内申の重みはどこまで変わるのか

数字で感覚をつかむために、仮の計算をしてみます。ここで使う学校設定検査50点・加点なしという条件は、あくまで説明用に置いたもので、実在の学校の配点ではありません。

  • K=0.5の場合:調査書は最大67.5点。総得点の最大は67.5+500+50=617.5点で、調査書の比重は約11%
  • K=1の場合:調査書は最大135点。総得点の最大は685点で、比重は約20%
  • K=2の場合:調査書は最大270点。総得点の最大は820点で、比重は約33%

評定が1つ上がったとき、K=1なら総得点が1点、K=2なら2点動きます。逆にK=0.5の学校では、評定の1段階は0.5点分の価値しかありません。同じ「評定が1上がった」でも、受ける学校で意味が違うということです。

これは、前日に書いた中3の期末テストの話にも直結します。2学期の評定で内申を押し上げる余地が小さい子ほど、「Kの大きい学校を志望するのは割に合うか」「学力検査で取り返せる学校か」を、志望校を決める段階で見ておく必要があります。

→ 千葉の中3、2学期期末で内申点を上げる打ち手をタイプ別に整理

ここまでの計算で、評定1つ分の得点差が学校によって数倍になることが見えたはずです。内申を一段上げたい教科と、学力検査で稼ぎたい教科を分けて考えるなら、千葉県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、苦手教科だけを頼む場合の費用感もつかみやすくなります。

配点の型で見た、志望校の4つのタイプ

公表された配点を読んでいくと、学校は大まかに次の4つの型に分けて整理できます。ここでの分類は筆者が読み方の整理のために作ったもので、県の公式の区分ではありません。学校名を当てはめる作業は、ご家庭で各校のページを見ながら行ってください。

型A:調査書の比重が大きい(Kが1より大きい)

  • 向く子:定期テストと提出物で安定して評定を取れる子。当日の緊張で点がぶれやすい子
  • 向かない子:中1・中2の評定が低めで、模試の点だけが伸びてきた子
  • 確認すること:現時点の評定合計×Kで、すでにどこまで確定しているか。中3の2学期・3学期の評定で動かせる幅

型B:学力検査の比重が大きい(Kが小さい、または傾斜配点がある)

  • 向く子:模試の偏差値が内申より高く出る子。教科に得意不得意の山がある子
  • 向かない子:内申は高いが、当日の得点力に不安がある子
  • 確認すること:傾斜配点の対象教科。その教科の過去の得点と、直前期にあと何点積めるか

型C:学校設定検査の配点が大きい

  • 向く子:面接や作文、自己表現に抵抗が少ない子。人前で話す経験がある子
  • 向かない子:準備に時間を割けない子。書く力に自信がない子
  • 確認すること:検査の種類、配点、実施時間。学力の勉強とは別の練習時間を、冬までに確保できるか

型D:2段階選抜を行う

  • 向く子:学力検査の総得点で一定の位置にいて、調査書や学校設定検査でも強みがある子
  • 向かない子:どれか一つの資料だけで勝負する子
  • 確認すること:次の節の係数k1〜k4の値

実際の学校は、AとCを兼ねる、BとDを兼ねる、といった組み合わせになります。そのため、ひとつの型に当てはめるより、「評定」「学力検査」「学校設定検査」のどれが一番点差をつける設計かを志望校ごとに一言でメモしておくと、併願校との比較がしやすくなります。

2段階選抜は「20%以下」の枠の話

実施要項では、各校は通常の総得点による選抜(1段階目)に加えて、学校の特色を重視した2段階の選抜を行うことができるとされています。ここでの要点は次のとおりです。

  • 2段階目で選ぶ人数は、募集人員の20%以下(受検者数が募集人員に満たない場合は受検者数の20%以下)
  • 1段階目は、前の節で説明した通常の得点で決めます
  • 2段階目では、調査書の得点(k1)、記載事項の加点(k2)、学校設定検査の得点(k3)、学力検査の成績(k4)に、各校が定める係数をかけた得点を資料にできます。k1・k2・k3は1以上、k4は1以上1.5以下です
  • 係数をかけたあとの配点が、先に示した調査書・学校設定検査の配点の上限を超えることはありません

つまり、1段階目で合格圏に入れば2段階目の細かい係数は関係なく、ボーダー付近で競る受検生だけに、学校が「何を重く見たいか」を反映させる仕組みと読めます。係数が大きく設定されている資料が、その学校の「ほしい生徒像」に近いといえます。

古い解説記事では、2段階目の資料を「調査書と学校設定検査」とだけ書いているものがあります(2021年8月公開の教育系メディアの記事など)。令和9年度の実施要項には学力検査の成績にかける係数k4も明記されているので、解説記事を読むときは公開年を確認し、最終的には県の実施要項と各校の公表資料で確かめてください。

出典:インターエデュ「千葉県公立高校の入試制度、選抜の仕組みは?」(2021年公開・2026年10月16日確認)

公表資料を手に入れたら、この順で動く

入試カレンダーでいえば、今日(2026年10月16日)から志願者情報の登録開始(2027年1月12日)まで約12週間、学力検査(2月16日・17日)まで約17週間です。公表資料を読む作業は、10月中に終えておくと、その後の模試の結果や三者面談と突き合わせられます。

  1. 志望校と併願候補(公立の第2志望、私立)を3〜5校に絞り、各校の「選抜・評価方法」を開く。見つからない学校は学校へ電話で確認する
  2. 次の6項目だけを1枚のメモに抜き出す。調査書のK、記載事項の加点の有無、学力検査の傾斜配点の有無、学校設定検査の種類と配点、2段階選抜の有無とk1〜k4、志願理由書の要否
  3. 子どもの現在地を同じ尺度に置き換える。評定の合計(中1〜中3前期まで)、直近の模試の教科別得点、面接や作文の経験の有無
  4. 「一番点差がつく資料」と「いま手を入れる余地が大きい資料」が一致する学校を探す。一致しているなら伸ばす価値が大きく、ずれているなら志望順位か学習配分を見直す材料になる
  5. 11月の三者面談では、メモを見せて質問する。「この学校の学力検査の傾斜配点を前提に、あと何点を狙うべきか」と聞くと、答えが具体的になる

志願先を変えるときの手続きにも期限があります。出願書類の提出は2月2日〜4日、志願・希望の変更は2月9日・10日です。配点を読んで志望校を再検討するなら、その前に、できれば年内に方針を固めておく方が気持ちに余裕を持てます。

出典:千葉県教育委員会「入学者選抜の日程について」(2026年10月16日確認)

面接・作文などの学校設定検査は、筆記の勉強とは別に準備の時間が要ります。県の一覧で各校の種類を確認できるので、こちらの記事も合わせて読んでください。

→ 東葛飾の独自問題・県千葉の作文対策!新設定検査を解説

読み取った結果を、誰と詰めるか:3つの選び方

メモができても、「ではこのご家庭は何を足せばいいか」は一人で決めにくいものです。相談先を3つ並べて、向き不向きを整理します。

中学校の先生・三者面談

  • 強み:現在の評定と、中3後半の評定の見通しを一番正確に把握している
  • 限界:特定の学校の配点戦略まで踏み込んだ助言は、立場上控えめになりやすい

集団塾・個別指導塾

  • 強み:志望校ごとの合格者の傾向や、模試のデータを持っていることが多い
  • 限界:クラス全体の進度に合わせるため、子ども一人分の「この教科のここだけ」に合わせた調整は限られることがある

家庭教師

  • 強み:自宅で、1対1で、評定が足りない教科や傾斜配点の対象教科だけに時間を使える。学校の進度やテスト範囲に合わせて、定期テスト対策に寄せることもできる
  • 限界:講師との相性で効果が変わる。料金は会社・学年・指導時間で大きく違うため、比べずに決めると負担が重くなりやすい

通塾の時間が取れない、苦手な単元だけに戻りたい、学校の内申対策に合わせたい、集団授業のペースが合わない。こうした事情があるご家庭では、家庭教師が選択肢に入ります。比較の観点は、こちらの記事にまとめています。

→ 千葉の家庭教師選び!無料体験で見るべき先生の質

配点を読んで「ここを埋めたい」が見えたら
  • 志望校の傾斜配点の対象教科が、いま一番点の取れていない教科だった
  • 調査書の係数が大きい学校を考えているが、中3の評定をあと一段上げたい
  • 面接や作文の準備に、塾の授業とは別の時間を確保したい
  • 塾に通う時間がない、または集団授業のペースが合わず、教科を絞って見てほしい

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読み違えやすい点と、確認先

  • 去年の資料を今年のものとして読まない。県の案内では、令和9年度分が公表されるまでは令和8年度入試の分が各校サイトに載っていました。いま開いたページが令和9年度分かどうか、年度の表記を確認してください
  • 市立高校は別の定めがある。千葉市立など市立校の選抜方法は、実施要項上、設置する市の教育委員会が定めるところによるとされています。各市の発表を確認してください
  • 配点が大きい=その検査で合否が決まる、ではない。全体の総得点で判定されるので、他の資料の差が大きければ逆転します。足を引っ張る資料を作らないことも大切です
  • 私立高校は対象外。今回の公表は公立(県立)の話です。私立の入試方式は各校の募集要項で確認します
  • わからない箇所は問い合わせる。県側の窓口は、県総合教育センター(043-212-7588)や学習指導課の学力向上推進室(0120-23-1008)です

出典:千葉県教育委員会「選抜・評価方法の公表について(令和8年度入試分)」(2026年10月16日確認)

配点を読み込むほど、「あと何点をどこで取るか」が具体的になります。入学許可候補者の発表は2027年3月2日で、学力検査まで約17週間。冬休みに入る12月下旬には残りが8週間を切ります。志望校の設計図が10月中にできていれば、11月以降の模試と三者面談を、答え合わせの機会として使えます。

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資料が届いたら確認したいこと

  • 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
  • 志望校の傾斜配点の対象教科や、評定を上げたい教科だけを頼めるか
  • 面接・作文など学校設定検査の練習に対応しているか
  • 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか

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まとめ:今週中に3校分のメモを作る

  • 2026年10月15日から、県立高校は一般入学者選抜の「選抜・評価方法」を各校のウェブページに掲載する。県の一覧は各校サイトへの入口で、配点は各校のページにある
  • 合計点は、調査書(評定合計×K、Kは0.5〜2)、記載事項の加点(上限50点)、学力検査(500点、学科により傾斜)、学校設定検査(10〜100点、複数なら合計150点上限)でできている
  • Kの違いで調査書の比重は大きく変わる。評定1つの価値が学校ごとに数倍違うことがある
  • 2段階選抜は募集人員の20%以下の枠で、係数k1〜k4を使う。通常は1段階目の総得点が土台になる
  • 志望校と併願候補を3〜5校選び、6項目をメモに抜き出して、子どもの現在地と並べる。結果を11月の三者面談に持っていく
  • 足りない部分は、学校の先生・塾・家庭教師のうち、時間・教科・費用の条件に合うものを比べて決める

まず今週中に、志望校と併願候補のうち3校分のページを開き、Kと学校設定検査の配点だけでも書き出してみてください。数字が見えると、次に何をすべきかが話し合いやすくなります。