週に何回も塾に通い、毎月きちんと月謝を払っているのに、模試の偏差値も定期テストの点も動かない。中3の10月にその状態が続いていると、「この塾でいいのか」と考えるのは自然なことです。
千葉県の公立入試で、志願者情報の登録が始まるのは2027年1月12日、学力検査は2月16日・17日です。今日(2026年10月16日)から学力検査まで、ちょうど123日。約4か月しかありません。
先に結論を書くと、成績が動かないときに最初にやるのは「塾を替えること」ではなく「どこで止まっているかの切り分け」です。原因が塾の外にあるまま塾だけ替えても、同じ結果になりやすいからです。この記事では、保護者が抱きやすい疑問を順番に取り上げ、替える・足す・やり方を変える、のどれを選ぶかの基準まで整理します。
Q1. 塾に通っているのに成績が上がらないのは、塾が悪いからですか?
そうとは限りません。今回確認した教育系の解説記事(ダイヤモンド・オンライン、All About、PRESIDENT Onlineなど)は、表現は違っても同じ方向を指していました。授業を受けただけで終わり、自分で解き直す時間がない。宿題を形だけ済ませている。講師に言われた勉強法を試していない。この3つです。
授業は「わかった気がする」状態をつくる場で、点数に変わるのは、あとで自分の手で問題を解き直したときです。通塾の回数が多いほど、このズレに気づきにくくなります。
一方で、塾の側に原因があるケースも当然あります。一人ひとりのつまずきを見ずに全員に同じ宿題を出している、テストの失点を分析してくれない、質問しにくい雰囲気がある、といった場合です。大事なのは、どちらかに決めつけず、次のQ2のように事実を並べて見分けることです。
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Q2. 原因が塾か家庭かを、どうやって見分けますか?
難しい分析は要りません。直近1〜2か月のことを、次の5つで振り返ってみてください。お子さんを責めるためではなく、「止まっている場所」を探すための確認です。
- 塾の宿題は、期限までにほぼ終わっているか
- 間違えた問題の解き直しを、週に一度でも自分でやっているか
- 返ってきた定期テストや模試を、塾の講師に見せて失点の理由を聞いているか
- 授業のあと、その日の内容を数分でも見直す習慣があるか
- 欠席や遅刻、寄り道で、授業が計画どおりに進んでいない週が多くないか
3つ以上が「いいえ」なら、塾を替えても同じ状態が起きる可能性が高いと考えたほうが安全です。学習の「使い方」を変えるほうが先です。
反対に、5つともほぼ「はい」なのに点が動かない場合は、塾の授業の難しさや進め方がお子さんに合っていない可能性が出てきます。授業が速すぎてついていけない、逆に簡単すぎて時間がもったいない、といった状態です。ここが、次のQ3以降で扱う「替える・足す」の検討に進む入口になります。
Q3. 成績が上がらないとき、転塾はしないほうがいいのですか?
「成績不振だけを理由にした転塾は、うまくいかないことが多い」と、PRESIDENT Onlineに掲載された塾業界の専門家の解説は述べています。教材も進度も指導方針も変わるため、慣れるまでに数か月かかり、その間の学習ペースが乱れるためです。
中3の秋は入試まで約4か月なので、「慣れるまでの数か月」が残り期間のかなりの割合を占めます。入試が近いほど、転塾のコストは重くなります。
ただし、替えたほうがいい場合もあります。次のようなときです。
- 質問しても答えてもらえない、または質問できる環境がない
- 授業中の様子がほとんど把握されておらず、書き込みのないテキストや白紙の答案が放置されている
- 欠席時の振替やフォローが、事実上ない
- 千葉県公立入試の仕組み(調査書と学力検査の組み合わせ)を踏まえた指導がなく、志望校の話が出ない
こうした「運営やサービスの土台の問題」があるなら、秋でも動く価値があります。土台に問題がないなら、辞めずに使い方を変えるほうが、4か月で取り戻せる点数は大きくなりやすいです。
Q4. 塾を辞めずに、今の塾に何を頼めばいいですか?
塾に何を頼むかを決めずに「もっと見てください」と言っても、状況は変わりません。次のような具体的な頼み方をおすすめします。
講師に聞くこと
- 直近の定期テストと模試で、失点の多い単元を3つに絞ってほしい
- その3つを、入試までの何週間で、どの教材で埋める計画か
- 志望校の候補に対して、今の学力で足りない点数はどのくらいか
家庭でそろえること
- 解き直しノートを1冊に決める(教科ごとに分けず、まず1冊)
- 解き直しの時間を、曜日と時間で固定する(週2回、30分でも十分)
- 返却されたテストは、その日のうちに親子で点数と失点の種類だけ確認する
Q2でひとつも「いいえ」がなかったのに伸びないなら、この質問に対する塾の答え方自体が判断材料になります。具体的な単元名と期間で答えてくれる塾は、立て直しを一緒に進められる可能性が高いです。答えが曖昧で「頑張りましょう」だけなら、次のQ5以降の選択肢を現実的に検討する段階です。
Q5. 「足す」とは、具体的に何を足せばいいのですか?
今の塾に問題はないが、特定の弱点だけが残っている場合は、塾を替えずに別の手段を足すという考え方があります。足す手段は大きく3つで、それぞれ向き不向きが違います。
集団塾に個別指導を足す
- 向いている子:授業の進度には乗れているが、特定の単元だけ穴がある
- 注意点:通塾の回数が増え、移動時間と疲れが増える。曜日の調整が必要
通信教育・映像授業を足す
- 向いている子:自分で計画を立てて続けられる。苦手単元を自分のペースで見直したい
- 注意点:わからない箇所を質問できない。続かなくなるとそのまま放置される
家庭教師を足す(または切り替える)
- 向いている子:部活や距離の都合で通塾回数を増やせない。苦手単元だけ中1・中2に戻りたい。集団授業のペースが合わない。学校の進度や内申対策に合わせたい
- 注意点:講師との相性で結果が変わる。料金の内訳は会社によって違うので、複数を同じ項目で比べる必要がある
どれが「正解」ということはありません。決め手は、止まっている場所が「授業内容の理解」なのか「戻るべき単元の穴」なのか「学習の習慣」なのか、のどれかです。Q2の確認結果と合わせて考えてください。
特に、中1・中2の内容に穴があるタイプは、集団塾の授業だけでは戻りにくい傾向があります。千葉県の調査書は中学3年間の評定が土台になるため、評定に響いた単元ほど早めに戻る価値があります。この場合は、千葉県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、塾を替えるより先に「足す」という選択肢の現実味が見えてきます。
- 塾には通っているが、特定の教科・単元の穴が埋まらない
- 部活や距離の都合で、通塾の回数をこれ以上増やせない
- 集団授業のペースが、お子さんに速すぎる、または遅すぎる
- 塾を替えるか足すかを、費用も含めて整理してから決めたい
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家庭教師の選び方そのものは、別の記事で詳しく整理しています。
Q6. 残り4か月、どの教科から立て直すのが効率的ですか?
千葉県公立入試の学力検査は、国語・数学・理科・社会が各100点(50分)、英語が100点(60分・リスニングを含む)の500点満点です。どの教科も配点は同じなので、「一番苦手な教科を平均点まで戻す」ほうが、「得意教科をさらに伸ばす」より、同じ時間で増える点数が大きくなりやすいのが基本です。
ただし、教科ごとに戻れる速さが違います。よくあるのは次のような傾向です。
- 理科・社会:範囲が決まっていて暗記の比重が高く、4か月でも点を動かしやすい。解き直しの習慣がつけば効果が出るのが早い
- 英語:単語・文法の穴が大きいと、長文もリスニングも伸びない。穴の位置が中1・中2にあることが多く、戻る単元の特定が先
- 数学:計算と小問の取りこぼしを減らすのが先。大問の難しい問題は後回しにして、取れる問題を確実に取る
- 国語:短期で大きく動かしにくいが、漢字・文法・古文の知識問題から拾える点がある
どの教科から着手するかを決めるときは、塾の講師に「内申の評定が下がりそうな教科」も一緒に聞いてください。調査書の点数と学力検査の点数は別々に積み上がるため、評定にかかわる定期テスト(2学期期末)と、当日の学力検査に向けた勉強を、同じ週の中でどう配分するかも、塾と相談する価値があります。
よくあるパターンをもとにした例を挙げます。塾に週3回通い、宿題は出している。しかし模試の数学は毎回40点台で、解き直しをしていない。この場合、塾を替える前にやることは、直近2回の模試から「確実に取れたはずの小問」を拾い出して解き直し、取りこぼしの型(計算ミス、読み違い、公式の失念)を分けることです。型がわかると、塾に頼む内容も、家庭教師に頼む内容も具体的になります。
Q7. 秋から変えるなら、いつまでに決めればいいですか?
目安は「11月上旬まで」です。理由は日程から数えられます。
- 今日(10月16日)から学力検査(2月16日)まで:123日
- 志願者情報の登録開始(1月12日)まで:88日
- 新しい塾や講師に慣れるまでに、数週間から数か月かかる
11月上旬に決めて動き出せば、冬休みの前に1〜2か月の「慣れ+立て直し」の期間が取れます。12月に入ってから決めると、冬休みがそのまま慣れる期間になってしまい、直前期に使える時間が減ります。
なお、体験授業や資料請求は、決める前の「比べる作業」であり、契約ではありません。11月上旬に決めるために、10月中に資料や体験で比べ終えておく、という逆算が現実的です。
ここまでを具体的な行動に落とすと、次のようになります。
- 今週中:Q2の5項目を、お子さんと一緒に確認する。塾の講師に、失点の多い単元3つと入試までの計画を聞く
- 10月中:塾の答えを見て、「やり方を変える」「足す」「替える」のどれにするか方向を決める。足す・替えるなら、資料や体験で複数を同じ項目で比べる
- 11月上旬:契約や切り替えを決めて、新しい体制で動き出す
Q8. お子さんに塾のことを聞くとき、親はどう話せばいいですか?
「なんで成績が上がらないの」と聞くと、多くの場合は防御反応が返ってきて、事実が出てきません。聞き方を少し変えます。
- 「今日は塾で何を習った?」と、内容を聞く(PRESIDENT Onlineでも、具体的に答えられるかが目安とされていた)
- 「次のテストで一番点を取りたい教科はどれ?」と、お子さん自身に優先順位を決めてもらう
- 「塾の先生に聞きたいことある?」と、質問を代わりに持っていく役を申し出る
お子さんが「今の塾は嫌」と言う場合でも、理由は「友達と合わない」「先生が怖い」「授業が速い」など、まったく別のことが多いです。理由を聞き分けないまま転塾すると、同じ不満が新しい場所で繰り返されることがあります。
Q9. 迷ったまま日が過ぎてしまいそうです。最低限、何をすればいいですか?
最低限の1つだけを選ぶなら、「直近のテストの失点を、教科ごとに3つの単元に絞る」ことです。これが決まれば、塾に頼むときも、家庭教師を比べるときも、「この3つを埋めたい」と具体的に伝えられます。決まらないまま比べると、料金の安さや雰囲気だけで選んでしまいがちです。
日程は、県教育委員会が公表している令和9年度の入試日程が基準です。ここは公式で確認できます。
出典:千葉県教育委員会「入学者選抜の日程について」(2026年10月16日確認)
残り123日のうち、最初の2週間を「原因の切り分けと方向の決定」に使い、そのあとを「実行」に使う。この配分にしておくと、直前期に慌てて塾や教材を変える事態を避けやすくなります。
今は、通っている塾の良し悪しを決める日ではなく、止まっている場所を見つける日です。その結果、塾を替えない、という結論になっても、それは立派な判断です。
資料や料金を先にそろえておくと、塾の面談で「ほかの手段も検討している」と言う必要が生じたときも、感情ではなく比較で話せます。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、千葉県公立入試や内申点への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 苦手単元だけ、中1・中2の内容に戻って教えてもらえるか
- 今の塾に通いながら、週1回など少ない回数でも頼めるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
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まとめ:替える前に、止まっている場所を見つける
- 塾に通っても伸びない原因は、塾の外(解き直し・宿題・見直しの習慣)にあることが多い。ただし塾側に原因がある場合もあるので、5つの確認で見分ける
- 成績不振だけを理由にした転塾は、慣れるまでの期間が重く、うまくいかないことが多い。運営やサービスの土台に問題があるときだけ、秋でも替える価値がある
- 今の塾に、失点の多い単元3つと入試までの計画を聞く。答えの具体性が、続けるかどうかの材料になる
- 特定の穴だけが残るなら、個別指導・通信教育・家庭教師を「足す」選択肢がある。向き不向きを比べて選ぶ
- 決める期限の目安は11月上旬。10月中に原因の切り分けと、資料・体験での比較を終える
次にやることは、今週中にQ2の5項目を確認し、塾の講師に失点の多い単元と今後の計画を聞くことです。その返事を見てから、替える・足す・続けるのどれにするかを決めても、まだ間に合う日数が残っています。






