千葉県の公立高校は、一般入学者選抜では1校しか受けられません。公立が第1志望のご家庭にとって、私立の併願校は「もう1つの受験先」というより、公立の結果がどうなっても進学先が残るようにするための土台です。
その併願校の決め方は、お子さんの内申や欠席の状況、志望校のレベルによってかなり変わります。先に結論を書くと、併願校は偏差値の近さだけで選ぶのではなく、「併願推薦の基準を満たせるか」「満たせないならオープン入試で受けるか」で、まずお子さんをタイプ分けしてから決めるのが近道です。この記事では、3つのタイプ別に、今から入試相談までに家庭で確認することを並べます。
まず押さえる、千葉の併願の仕組み
千葉県の私立高校には、大きく分けて2種類の受け方があります。ひとつは、公立が不合格だったら入学することを条件に、内申などの基準を満たすと合格が見込みやすくなる「併願推薦」。もうひとつは、内申に関係なく当日の学力検査の結果で受ける「オープン入試(一般入試)」です。
インターエデュの解説は、東京・神奈川では「併願優遇」、千葉・埼玉では「併願推薦」と呼ばれる制度だと説明しています。同じ解説は、併願推薦を使うには学校説明会や個別相談会への参加が必要な学校があることも指摘しています。つまり、基準を満たしているかどうかだけでなく、「相談の場に出ているか」まで条件になる学校があるということです。
もうひとつ知っておきたいのは、併願推薦のない学校があることです。ダイヤモンド・オンラインに掲載された早稲田アカデミーの高校受験部長の解説では、併願推薦を実施する中堅の私立がある一方、難関とされる私立には併願推薦がなく、一般入試で受けるしかない学校もあると整理されています。同じ私立でも、使える制度が学校ごとにまったく違うわけです。
私立の入試日程も、年度や学校で異なります。今回開いた解説記事の中には、日程が古い年度のまま載っているものもあり、記事どうしで私立の一般入試の日付が食い違っていました。日付は解説記事ではなく、志望校の今年度の募集要項で確認すると決めておくと、混乱しません。
押さえ校を考えるうえで、公立の日程も確認しておきます。2027年(令和9年度)の千葉県公立の一般入学者選抜は、志願者情報の登録が1月12日(火)〜2月1日(月)、学力検査が2月16日(火)・17日(水)、入学許可候補者の発表が3月2日(火)です。2026年10月17日の今日から、学力検査まで122日あります。
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タイプの見分け方は、通知表と欠席日数を並べるだけ
タイプ分けに必要な材料は、2つだけです。直近の通知表(できれば1・2年の分も)と、これまでの欠席日数です。次の3つに当てはめてみてください。
- タイプA:志望する併願校の内申基準に届いていて、欠席も少ない
- タイプB:内申が基準にあと少し届かない、または欠席日数が多めで推薦の条件が不安
- タイプC:併願推薦のない難関私立を併願したい、または公立の志望校が高めで私立も力試しになる
併願推薦の基準は、3科・5科・9科のどれで見るのか、評定の合計なのか、特定教科に条件があるのかが学校ごとに違います。また、全学年の評定を見るのか、3年生の分だけを見るのかも学校によって変わります。ここは推測で判断せず、学校の募集要項にある内申基準の表記のまま、お子さんの通知表と照らし合わせてください。
欠席日数についても、一例があります。JBCの解説は、千葉県では3年間の欠席日数を10日以内とする例が多いと書いています。ただし、これは「例が多い」という一般的な傾向であって、学校ごとの基準ではありません。病気などで欠席が多い場合は、事前に学校へ相談できるかを確認するのが先です。
タイプA:基準に届いている子は、「安全」と「通える」で選ぶ
タイプAの場合、併願推薦で押さえを確保しやすい立場です。ここで迷いやすいのは、「受かりやすい学校」を選ぶか、「入学してもいい学校」を選ぶかです。
ダイヤモンド・オンラインの解説は、学力の高い子ほど、できるだけ学力に合った高校に進むべきだと述べています。学力と合わない学校に進むと、授業の進度やテストが合わず、大学受験までのカリキュラムにも差が出るからです。つまり押さえ校は、「落ちない学校」ではなく「公立に落ちたら本当に通う学校」として選ぶ必要があります。
タイプAが決めるべき順番は、次のとおりです。
- 通学時間と通学手段を実際に調べる(千葉は県が広く、地域によって通いやすさが大きく違うため、通学に1時間以上かかる学校は毎日の負担も見ておく)
- 併願推薦の条件に、説明会や個別相談への参加が入っているかを確認する
- 入学金や授業料など、公立不合格時にかかる費用を、募集要項の範囲で確認する
- その学校の大学進学の傾向や、部活・コースが、お子さんの希望と合うかを見る
タイプAの落とし穴は、「基準に届いているから大丈夫」と安心して、相談会に行きそびれることです。条件に参加が入っている学校では、行っていないと使えないことがあります。
タイプB:基準に届かない子は、「届かせる」か「別の入口」を考える
タイプBは、内申があと少し足りない、あるいは欠席が多めという状況です。このとき、選択肢は大きく2つに分かれます。
選択肢1:2学期の評定で基準に届かせる
3年生の2学期は、学期末の評定が通知表に反映される最後の大きな機会のひとつです。併願推薦の基準が3年生の評定を見るのか、全学年の合計なのかによって、あと何点必要かの計算は変わります。まず基準の書き方を確認し、足りない分を「どの教科で、あと評定をいくつ上げれば届くのか」まで数字にしておくと、期末テストまでにやることがはっきりします。
特定の教科だけ評定が低いと、そこが基準を割ってしまう場合があります。苦手教科が1つあるなら、その教科の期末テストと提出物に絞って、時間を割くのが現実的です。
この場面では、苦手教科の穴が中1・中2の内容にあることがよくあります。授業の速さについていけず、自力では戻りきれないとき、千葉県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、苦手教科だけに絞った学習の選択肢を判断しやすくなります。
選択肢2:オープン入試を軸にして、併願推薦は「使えたら使う」
基準に届かなくても、オープン入試なら学力検査の結果で受けられます。インターエデュの解説も、オープン入試は学力検査が重視されるので内申を気にせずに受けられ、併願推薦と組み合わせればより安全な受け方になると整理しています。
ただし、オープン入試は「内申が足りなくても大丈夫」という意味ではありません。当日の得点が足りなければ、不合格になります。オープン入試を軸にするなら、その学校の過去問を解いて、今の力でどのくらい取れるかを見ることが前提です。
欠席が多いタイプBの場合は、推薦の可否を自分たちで決めつけず、学校の入試相談で「欠席の事情をどう扱うか」を直接聞いてください。基準は学校ごとに違い、事情を書面で説明できる学校もあります。
- 併願したい私立の内申基準に、あと少し届いていない
- 苦手教科が1つあって、そこが評定の足を引っ張っている
- 部活や通塾の都合で、苦手単元を戻る時間が取りにくい
- 学校の進み方に合わせて、期末テスト対策を個別に見てほしい
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タイプC:併願推薦のない学校を併願するなら、日程の組み方が要になる
タイプCは、難関とされる私立を併願したい、あるいは公立の志望校のレベルが高く、私立でも力試しをしたいご家庭です。この場合、併願推薦という「確実な入口」がない学校を受けることになります。
ダイヤモンド・オンラインの解説は、一般入試で力を出し切れなかったときに備えて、併願推薦で押さえられる中堅校をもう1校用意する考え方を示しています。また、私立の結果を見てから、公立の受験校を変える柔軟さが必要だとも述べています。千葉の公立は志願・希望の変更が2月9日・10日にあるので、私立の結果が出る時期と、この変更の日を並べて、どこで判断するかを先に決めておくと、慌てずに済みます。
タイプCが家庭で決めておきたいのは、次の3点です。
- 私立の本命(難関)、押さえ(併願推薦のある学校)、公立の志望校を、日程順に並べた1枚の表を紙に書いておく(受験日が重ならないかを見るため)
- 私立の結果が不合格だったとき、公立の志望校を変えるのか、変えないのかを、結果が出る前に家族で話しておく
- 押さえ校の併願推薦の条件に、説明会や個別相談の参加が含まれていないか確認する
同じ学校でも、コースによって制度が違うことがあります。募集要項では、コース別の欄まで読んでください。
3タイプ共通:入試相談の前に家庭で整えておくこと
どのタイプでも、学校に相談へ行く前に準備しておくと、話が早く進むことがあります。特に次の4点は、タイプを問わず共通です。
- 直近の通知表と、1・2年の通知表のコピーまたは写真
- Vもぎ・Sもぎの直近の結果(成績表をそのまま持参できるように)
- 欠席日数の記録(3年間の合計。学校の出席簿の数字と合っているか)
- 聞きたいことのメモ(併願推薦の基準、オープン入試の配点、費用、入学手続きの時期)
相談に行く時期は、学校によって違います。公式サイトの入試情報ページに、説明会・個別相談会の日程が載っているので、10月中に志望校の一覧を作って、日付を書き出しておいてください。
よくある勘違いも、ここで訂正しておきます。「併願推薦を取れたら、公立は受けても受けなくてもいい」ということはありません。併願推薦は、公立が不合格だった場合に入学することを条件にした制度です。公立の合格発表前に私立の入学手続きの期限が来る学校もあるため、入学金などの手続きの期限と、公立の発表日(3月2日)の関係は、必ず募集要項で確認してください。
私立の併願と模試の関係については、次の記事も参考になります。
今から入試相談までのスケジュール
最後に、今日から動くとしたら、どの順番がよいのかを書きます。
- 10月中:通知表と欠席日数でタイプA・B・Cのどれかを決め、併願候補を3〜4校に絞る
- 10月末〜11月上旬:候補校の公式サイトで、今年度の募集要項、併願推薦の基準、説明会・個別相談会の日程を確認する
- 11月:2学期期末テストに集中する。タイプBは、基準に足りない教科にしぼる
- 11月下旬〜12月:通知表を持って個別相談に行き、併願推薦が使えるかを学校に確認する。三者面談では、担任の先生にも併願校の考え方を伝える
- 12月〜1月:併願校を確定し、公立の志願者情報の登録(1月12日〜)の前に、私立の日程と公立の日程を1枚に並べる
公立の学力検査まで122日、志願者情報の登録の開始まで87日です。併願校の確認に使える期間は、期末テストや冬休みを挟むため、思っているより短くなります。併願の基準を満たすための内申と学力を、今の時期に整えておけるかどうかが、2月の選択肢の広さにつながります。
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資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 期末テスト対策や内申点の評定アップ、苦手教科だけの指導に対応できるか
- 部活や通塾と両立できる曜日・時間帯で、指導を受けられるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
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まとめ:併願校は、タイプを決めてから選ぶ
- 公立の一般入学者選抜は1校のみ。私立の併願校は、公立の結果がどうなっても進学先が残るための土台
- 私立の入り口は、基準を満たして使う「併願推薦」と、当日の得点で受ける「オープン入試」の2つ。併願推薦のない学校もある
- タイプA(基準に届く)は、「落ちない」ではなく「通える」学校を選び、相談会の参加条件を確認する
- タイプB(基準に届かない・欠席が多い)は、足りない教科を数字にして2学期の評定で届かせるか、オープン入試を軸にする
- タイプC(併願推薦のない学校を併願)は、私立と公立の日程を1枚に並べ、結果が出る前に公立の志望校をどうするかを決めておく
- 日付と基準は解説記事ではなく、志望校の今年度の募集要項で確認する
今日できる最初の一歩は、通知表と欠席日数を並べて、お子さんがどのタイプかを書き出すことです。そのうえで、併願候補の学校の公式サイトを開き、今年度の募集要項と説明会・個別相談会の日程を調べてください。
出典:千葉県教育委員会「入学者選抜の日程について(令和9年度)」(2026年10月17日確認)
参考:インターエデュ「高校受験 併願校の選び方・受験パターンの組み方」、ダイヤモンド・オンライン「千葉県の併願校の選び方」、JBCのコラム(いずれも2026年10月17日確認)






